スピッツの好きな曲をレビュー!初心者に聴いてほしいおすすめの名曲

スピッツの好きな曲をレビュー!初心者に聴いてほしいおすすめの名曲

この記事では、個人的に好きなスピッツの曲のレビューを書いています。

多くのファンに支持されている人気アーティストのスピッツですが、「曲が多すぎて何から聴けばいいか分からない」と感じている人がいるかもしれません。

そこで、「最近スピッツが好きになった」という初心者に聴いてほしいおすすめの名曲を紹介します。

以下、敬称略。

※少しずつ追記する予定です。

 

スピッツ(SPITZ):弱いくせによく吠える

スピッツ(SPITZ)は、1987年に日本で結成された4人組のロックバンドです。

デビューから数年を経て、1995年に発売されたシングル「ロビンソン」やアルバム「ハチミツ」で大きな人気を得ることとなりました。

そして、その後も「チェリー」などのミリオンヒット曲を生み出してきました。

 

バンド名「スピッツ」は、草野マサムネが高校時代から思い描いていた名前で、短くてかわいく、パンクっぽいという意味を持っています。

この名前は、日本の犬種であるスピッツからもインスピレーションを得ており、その「弱くてもよく吠える」特性を、パンクバンドの性質に例えることができます。

 

バンドの結成は、草野マサムネが田村明浩に声をかけたことから始まります。

田村は自身の幼馴染である三輪テツヤを誘い、さらに部活の仲間、﨑山龍男を引き入れ、4人でスピッツをスタートさせました。

 

スピッツの音楽は、ジャンルを問わず幅広いスタイルを持っています。

カッコいい曲、カワイイ曲、オシャレな曲、どれもがそのジャンルを極めており、それに草野マサムネの独特の声が加わることで、一度聴いたら忘れられないサウンドが生まれています。

草野の歌詞は、優しさと他人の痛みを理解する視点が詰まっており、一方で音楽はパンクのエッセンスを持っています。

これが、スピッツ独自の世界観を形成しているのです。

 

ライブでのパフォーマンスも見逃せません。

多くのバンドがヴォーカルがステージを駆け回る中、スピッツの草野は静かにその場で歌い上げます。

それでも、彼らの演奏や歌唱は、CD以上の完成度を持っています。

 

スピッツのアルバムやライブは、シングルだけを聴いていると想像もつかないほどの深さや幅を持っています。

草野のハスキーボイスや、キャッチーで覚えやすいメロディー、考えさせられる歌詞は、あなたをスピッツの世界に引き込むことでしょう。

 

仕事での疲れや日常のストレスを感じたときでも、スピッツの曲は心に染み入るものがあります。

それは、歌詞の行間に秘められたメッセージや、独特な世界観が、私たちの心の中に共鳴しているからかもしれません。

 

ロビンソン

  • アーティスト:スピッツ
  • 曲名:ロビンソン
  • 作詞:草野正宗
  • 作曲:草野正宗

 

刻む時の中で、静かに響く名曲の背景と魅力。

 

スピッツといえば、その名を耳にしただけで、心地良い風を感じるような、あたたかく優しい音楽を想像しますよね。

その多くの楽曲の中でも、特に記憶に残る1曲といえば「ロビンソン」です。

 

この曲は1995年にリリースされ、スピッツにとって大きなターニングポイントとなった作品。

オリコンチャートでの売上が162万枚を超える圧倒的な数字を記録しました。

ですが、面白いのは、作詞・作曲の草野マサムネがこの曲を「ポップすぎる」と感じ、初めはシングルとしてのリリースに消極的だったこと。

その後ろ盾として、結果として多くの人々の心に刻まれる楽曲となったのです。

 

曲名の「ロビンソン」は、草野がタイ旅行の時に印象に残っていたというロビンソン百貨店から名付けられました。

しかし、実はこの曲名と楽曲の内容には直接の関連性はなく、歌詞にその名は一切登場しないのです。

それだけに、この曲のタイトルには、草野マサムネの独特なセンスや、曲に込められた無限の想像を感じます。

 

冒頭のアルペジオは、リードギターの三輪テツヤが提案したもの。

その響きは、聴く者の心に深く刻まれ、数多くの人々を魅了してきました。

モノクロのMVと相まって、時を経ても色褪せないノスタルジックな雰囲気を放っています。

 

「ロビンソン」の歌詞は、抽象的で多くの解釈が生まれるもの。

草野マサムネ自身が「二人だけの国の国歌を作りたかった」とコメントしているように、聴く人それぞれの胸の中で様々なエピソードや想いが生まれるのが魅力です。

シンプルだけれど、それぞれの胸の中で特別な意味を持つ、そんな曲です。

 

春の暖かい風とともに、この曲を聴きながら、過去の想い出やこれからの期待を思い浮かべてみてはいかがでしょうか。

あなたの心の中で、新しい「ロビンソン」の物語が生まれるかもしれません。

 

チェリー

  • アーティスト:スピッツ
  • 曲名:チェリー
  • 作詞:草野正宗
  • 作曲:草野正宗

 

「チェリー」は、スピッツの名曲として多くのファンの胸を打つ楽曲です。

それはなぜか、と問われると、ある特定の答えだけでなく、多くの瞬間やエモーションに触れることができるからです。

曲の魅力を深く感じるために、曲そのものの背景や歌詞の美しさ、そして演奏の魅力を感じ取ることが大切です。

 

草野マサムネが語るタイトルの由来、「桜は春に咲く花、そういう意味でも何かから抜け出す、出発するようなイメージ」という言葉からも、新しいスタートを切ることの喜びや、そこに隠された切なさを感じることができます。

それは、多くの人々の心に触れる普遍的なテーマであり、まさにこの曲の魅力の一つです。

 

歌詞の中に散りばめられたフレーズは、あなたの心にさまざまな感情を呼び起こします。

たとえば、「強く」の後に「なれる気がした」という言葉は、私たちが日常で感じる確固とした自信とは異なる、もどかしさや不確かさを表していると感じられます。

それが、この曲のリアリティを高める要素となっています。

 

MVを見ると、スピッツのメンバーたちが楽しげに演奏している姿が印象的です。

彼らの姿からは、この曲に込められた情熱や、ファンへの感謝の気持ちが伝わってきます。

 

「愛してるの”響き”」という言葉も、一つのハイライトと言えるでしょう。

それは、単なる表現ではなく、愛という感情を感じるさまざまな響きや共鳴を引き出すものです。

 

そして、「騒がしい未来」というフレーズは、あなたのこれまでの経験や、これからの期待を繋げる言葉として、多くの人々にとって深い共感を呼び起こすことでしょう。

 

「チェリー」は、様々な世代の人々に向けられたメッセージが詰まっています。

それは、自分のこれからの未来を想像し、新しいスタートを切ることの喜びや、それに伴う切なさを感じることができる楽曲です。

この曲を聴くことで、あなた自身の「騒がしい未来」への期待や、その中での喜びや切なさを感じることができるのではないでしょうか。

 

空も飛べるはず

  • アーティスト:スピッツ
  • 曲名:空も飛べるはず
  • 作詞:草野正宗
  • 作曲:草野正宗

 

あなたは、スピッツの「空も飛べるはず」を耳にしたことがありますか?

昔、学校の昼休みに流れていたあのメロディを覚えていますか?

思い返せば、爽やかな風が吹き抜けるような、しかし何とも言えぬエネルギーに満ちた名曲でした。

 

この曲の魅力は、草野マサムネの繊細でありながら力強い歌声からも感じられます。

高い声域で軽やかに歌い始め、寂しさや切なさをあなたの心にそっと寄せてきます。

そして、それを優しく癒してくれるかのように、最後まで歌い続けるのです。

 

恋に落ちる感情、それはまるで学生時代の初々しい片思いのよう。

この曲にはそんな純粋な恋心が込められています。

シンプルなコードとゆったりとしたテンポ、それでいて完成度の高さは驚きです。

 

詩的な歌詞もこの曲の大きな魅力。

難解な言葉や具体的なストーリーはありませんが、その中には聞き手それぞれの解釈や想像を広げる余白がたっぷりと含まれています。

何度聴いても、新しい発見や感じることができるのは、まさにこの曲の奥深さです。

 

ドラマ『白線流し』の主題歌としても使われたこの曲。

ドラマとは別の作品として生まれたにもかかわらず、それを見事に彩ったのは、この曲が持つ普遍的な魅力と言えるでしょう。

 

歌詞の中には、「ナイフ」や「やぶいた」といった、ちょっと刺激的な言葉が散りばめられています。

それがこの曲にアクセントを加え、思春期特有の尖った部分と明るさが絶妙に融合されているのです。

 

最後に、草野マサムネの作詞作曲の才能は、スピッツの楽曲の中で常に輝きを放っています。

その楽曲たちは時代を超えて、私たちの心に深く根付いています。

「空も飛べるはず」もその一つ。

あなたもこの曲とともに、様々な思いや記憶を感じてみてはいかがでしょうか。

 

  • アーティスト:スピッツ
  • 曲名:楓
  • 作詞:草野正宗
  • 作曲:草野正宗

 

冬の訪れを告げるような冷たい風の中、あなたの耳に届くのは、スピッツの「楓」という名の優しいメロディ。

穏やかだけれど、心の奥まで響くその歌声は、草野マサムネの真心が詰まったものとして多くの人々に愛されています。

 

この曲は、穏やかながらも心に響くサビが特徴的。

草野マサムネの透き通るような声が、切なくも美しい歌詞を届けてくれます。

楓のように色づく秋の風景を思い浮かべながら、人の心の変化と照らし合わせることで、儚さや切なさを感じることができます。

 

サビのロングトーンは、その美しさと技巧で心を魅了します。

草野マサムネの透き通る声が高音を伸ばし、それがまるで空気を切り裂くように響き渡るのです。

一度は聴いてみる価値がありますよ。

ぜひ、その感動を自らの耳で体験してください。

 

それに、この曲のメロディラインは心地よく、特にギターソロの部分は自然と身体が動きたくなるような魅力を持っています。

楽器のバランスも完璧で、聴くたびに新しい発見があるかのよう。

特にベースのリズムやサビのハモリは、何度聴いても心地よく感じられます。

 

スピッツの歌詞には、さまざまな解釈が可能なのが魅力の一つです。

歌詞の中の「さよなら」という言葉には、多くの意味が込められているのでしょう。

それが、失恋の痛みを描いたものなのか、または亡くなった人への惜しむ気持ちを歌ったものなのか。

あなたには、どんなメッセージが伝わるのでしょうか。

 

「楓」のMVも、その解釈の幅広さを物語っています。

映画館のような空間で流れる映像は、人それぞれの思い出や感情を映し出す鏡のよう。

それぞれの人が持つ独自の感じ取り方や解釈を大切にし、その多様性を楽しんで欲しいというスピッツのメッセージが伝わってきます。

 

まとめると、「楓」はスピッツの中でも特に感動的な曲であり、時を超えて多くの人々に愛され続けています。

草野マサムネの独特の歌声や、深い歌詞のメッセージ、そして完璧な楽器のバランス。

これらが合わさって、心に残る名曲が生まれたのです。

 

今度あなたがどこかで「楓」を耳にしたら、ぜひそのメロディに身を任せてみてください。

きっと、心の中に新しい風景が広がることでしょう。

 

ちなみに、スピッツのシングル「楓/スピカ」には、その人気のほどを物語るエピソードがあります。

実は、ファンの間で「楓」を好む「楓派」と「スピカ」を好む「スピカ派」という言葉が生まれるほど、両曲とも深く愛されているのです。

 

君が思い出になる前に

  • アーティスト:スピッツ
  • 曲名:君が思い出になる前に
  • 作詞:草野正宗
  • 作曲:草野正宗

 

スピッツの「君が思い出になる前に」という楽曲は、多くの人々の心を震わせる魅力が詰まっています。

聴くたびに、周りで亡くなった人の思い出が蘇り、秋の風を感じさせる歌詞があなたの心に深く刻まれるでしょう。

その歌詞は、別れを前にしての寂しさや切なさ、そして最後には笑顔を見せてほしいという願いをストレートに伝えてくるのです。

 

この楽曲は、一見、恋人同士の別れをテーマにしているように感じられますが、深く解釈すると、死別に関連した言葉やイメージが散りばめられているようにも見受けられます。

 

曲の初めに登場する笑顔の記憶と、変わっていく自然の風景は、過ぎ去る時間や命の儚さを暗示しているかもしれません。

また、ある場面で歌われる船に乗る情景は、生と死の境界を渡る三途の川のイメージとして解釈できます。

 

「再び会うことができない」と意味する歌詞も、絶対的な別れ、つまり死別を示唆しているのかもしれません。

さらに、一緒に過ごした日々の価値に関する部分は、その絆が死を超えても色あせないことを示していると考えられます。

 

そして、何度も繰り返される「思い出になる前に」という部分は、大切な人との別れが永遠であること、そしてその前の瞬間をどれだけ大切にしたいかを伝えていると感じられます。

 

このように、歌詞の中には愛と別れのテーマが強く反映されていますが、その背景には死別の悲しみや受け入れの感情も見て取れるでしょう。

 

草野マサムネの歌詞のセンスは、非常に独特でありながらも、人々の感情を引き出す力があるのです。

この楽曲では、普段は難解な歌詞が多いスピッツが、直接的なメッセージを歌詞にしています。

それが、あなたの心に深く響く理由の一つかもしれません。

 

また、この曲のインストゥルメンタル部分も素晴らしい。

ドラム、ギター、ベース、ボーカル、すべてが一体となり、完璧なバランスで響き渡ります。

特にギターソロは、ロック好き少年たちが集まって結成されたバンドの情熱を感じさせる部分です。

 

失うことを「思い出になる」と表現することに、スピッツの繊細なアートワークを感じます。

その美しさを捉えることは、外国語への翻訳では難しいかもしれません。

ですが、日本語の綺麗さやニュアンスを最も感じさせてくれるのは、スピッツの楽曲の中でも、特にこの曲ではないでしょうか。

 

この楽曲を聴くと、辛い時にそっと背中を撫でてくれる温かな手のような存在を感じることができます。

時代の背景や深い死生観を胸に抱きながら、あなたもこの楽曲の美しさや切なさを感じてみてください。